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編集ワタルの北海道ツーリングレポート
第二話:北海道へ上陸しました
苫小牧に着きました! 「とまこまき」ではありません、「とまこまい」です。とうとう北海道に上陸なのです。でも夜で景色がほとんど見えないので「北海道に着いた」という実感はまだ薄いっす。
天気は…やっぱ雨。僕はもともと雨男なのです。どのくらい雨男かというと、これまで経験した1泊以上のツーリングではイチローを遥かにしのぐ打率で雨です。これを公にすると友達に誘ってもらえなくなる危険がありますが、もう隠せないところまで来ています。
でも雨ごときで落ち込んでいられません。さあ、カッパ着て長靴はいて、出発です。時刻は午後8時を回っていましたが、船の中で目が腐るくらい寝ていたので、元気いっぱいです。「とりあえずキャンプ場目指して走ってみよう」と出発しました。目的地は知床です。「ちとこ」ではありません、「しれとこ」です。

30分も走ると街灯もまばらになってきました。自分のライト以外は真っ暗な闇に包まれています。雨のせいもあり、今大草原の中を走っているのか、それとも森の中を走っているのかわからなくなってきます。
バイクでの旅ってこういう時とても孤独な気持ちになりますよね。僕はこの感覚がとても好きで、これこそロングツーリングの醍醐味なのではないかと思います。ミラーを見ると友人Nのヘッドライトしか見えませんが、それだけでも少しほっとします。
しかし国道234号線を北上し、東に向かう為274号線を右折した頃から急に雨足が強くなってきて、山道に入った頃には豪雨になってしまいました。視界が悪くて気分的にも滅入ってきたため、駐車場(休憩所のような広いところ)を見つけてバイクをとめ、友人Nと相談しました。結果、軟弱な二人は「初日から無理してもしょうがないよね」という「逃げ」の結論に達し、キャンプ場にたどり着くのは諦めてここで泊まることにしました。

雨はますます強くなり、バケツをひっくり返したような大雨の中でどうにかテントを張り終えました。それぞれのテントで眠ることにしました。フライシートに叩き付ける雨の音でお互いの声もろくに聞こえないのですが、とりあえず雨に当たらなくてすむ空間が作れたのでとても安心しました。
ライトのスイッチを消して寝袋に入ると間もなく…ポタッ…。
な、なんだ!?顔に冷たいものが垂れてきました。また、ポタッ。ポタタタッ…。
なんと、強い雨のせいでテントが雨漏りしてきたのです。もう一度ライトをつけてよく見ると、テントの横からも水が流れ込んでいます。マジかよ…
そういえばこのテントは、一昨年4000円で購入したチョー安物で、しかも一回も防水スプレーをかけたことがありませんでした。うわーやっちまった…
でも今さらどうにもなりません。テントの縁から流れ込む水はタオルで吸収し、顔の上には折りたたみ傘を差し、寝袋の上にカッパをかけました。これでなんとか寝るしかない…。その日の夜は、これまでの僕の人生の中で最悪の一夜となりました。
少しでも寝返りを打てば水浸しの所に入ってすぐ目がさめてしまうし、寝ぼけて傘がずれると、また「ポタッ」で目を覚ましてしまいます。
なぜでしょう、こんな時に「さんふらわあのテーマ」が懐かしく思い出されます。フェリーは快適だったなぁ。あったかいし雨漏りしないし、トラさんやナイスミドルがニコニコ笑ってくれてたっけ。「さんふらわあー、さんふらわー、たいよーうにまもーられーてぇ…」

結局ほとんど眠ることができずに、朝の4時頃、あたりが少し明るくなってきた頃に起き上がりました。テントの中は水浸しで気分は最悪でしたが、どうにか寝袋の中までは濡れないですみました。
外に出てみると、相変わらず低い雲が垂れ込めてはいるのですが、雨がやんでいました。よっしゃ、今のうち!と、すぐフライシートを外して干しました。そして、テントの中にたっぷりたまった水を、洗車用に持ってきたセーム皮で拭き取りました。

しばらくするとNも起きてきましたが、Nのほうはとても快適だったようで、「おー、こんな森の中で泊まってたんだぁ」などとのんきなことを言っています。朝からテンション低すぎの僕を見て、Nがコーヒーを入れてくれました。おおこりゃありがてえとカップを持つと「うわアッチぃ!」ひっくり返して全部こぼしました。…ごめん、N。悪気はなかったんです。

その後チキンラーメン(お湯の分量が足りなくてすっごく濃いやつ)を食べた僕たちは、テントをたたんで出発しました。

途中でホクレンのスタンドを見つけたので、給油をしてもらいつつキャンペーンの旗をもらいました。
(キャンペーンについて掲載された記事はこちら
http://www.bornbikers.com/topics/news/09.html)
やった!!旗はためかせながら走ってるのって、なんだか旅人の証みたいでカッコ良いじゃないですか。
しかし、そのスタンドにて衝撃の情報がもたらされました。
「お兄さん達、看板見なかったの?昨日の大雨でこの先の日勝峠は崩れて通行止めなんだよ…」「…え…」

戻っても仕方がないので、迂回して行くことにしました。スタンドの人いわく、2時間くらいロスするそうです。
ひたすら走りました。景色はというと、川は濁流で飲み込まれそうな感じで、湖も見事に茶色です。荒れ狂う自然を大いに堪能しました。
しばらく行くと、ずうっと直線で道が上下にうねっている道を通りました。ここはよく写真などで紹介されている、有名な道らしいです。「北海道は、でっかいどう!」てな感じでしたね。でも、肝心な写真がありません。雨が降ったりやんだりしていて、カメラをしまっちゃってました。
昼は国道沿いのお店でチーズ入りのカレーを食べ、また走り続けました。


大雨で湖まで濁ってます。

次の目的地はオンネトーという所で、湖がとてもきれいらしいです。途中で牛が放牧されていたので、ちょっと近づいてみることにしました。
Nは大興奮しています。「…ちょっとさわってみたい」Nは時々ワケのわからないことを言います。
僕はというと、牛が予想より大きくてこわかったので、少し離れて見ていました。すると、ボス的存在とみられる黒い牛が鼻息荒く近づいてきました。ヤバい雰囲気です。

グフグフ言いながらすごい勢いで近づいてきて、頭を振りながらこっちをギロリと睨んでいます。頭を振るたびにヨダレが飛び散っています。他の牛たちは「あーあ、おこらせちゃった」てな感じで、まるでイジメっ子につかまった弱い奴を遠巻きに見るような哀れみの目でこちらを見ています。

牛と睨み合いになってしまった友人N。
緊迫の一瞬です。

ワ「…ヤバくない?逃げよう」
N「そ、そうだな…そうっと、刺激しないようにな」
結局怒っているのかどうかはわかりませんでしたが、突進されたらひとたまりもなさそうだったのでその場を離れました。

距離的にオンネトーまであと少しです。しかし、突然道がダートになりました。けっこうボコボコしていて前後12インチのスクーターでは歯が立たなそうでしたが、コイツを超えないとオンネトーにはたどり着けません。
「うおぉっしゃあ、行くぞぉーーっ!!」
気合いで乗り切ることにしました。しかし、すぐわだちに後輪がハマって出られなくなってしまいました。
ワ「すいませんNさん、ちょっとここ、一緒に持ち上げてもらえませんかね」
N「さっきまで『スクーター超楽だぜ、SRなんかで来てバカだね』なんて言ってたくせに…しょうがねえな。せーのっ」
なんとか脱出できました。これが一人だったら…と考えると、ぞっとしました。こんな時にさっきの黒い牛が追いかけてきたら…シャレになりません。ま、一人で旅するときはマシンや技量を考えて道を選んだほうが良さそうだと思ったわけです。

なんとかダートを抜けて、オンネトーに辿り着きました。水がとてもきれいです。しかし、天気は相変わらずの小雨です。
N「天気が悪いと、せっかくの景色も台無しだな。雨降ってるし、全然テンションが上がらねえ」
これは言っちゃあいけないと思っていたのですが、Nはさらっと口に出していました。
N「晴れてたら絶景だったんだろうなあ…」
そしてさらに霧が出てきて、最後には何も見えなくなってきました。
N「…あのさ、」
ワ「…行きますかね」
N「阿寒湖も近いし、な」

ほどなく阿寒湖に到着しました。マリモで有名な湖です。そろそろ日が暮れそうだったので、キャンプ場を探して早々にテントを張りました。幸い雨はやんでいます。
N「ちょっと元気出してこうぜ!そうだ、カレーでも作んない?」
ワ「おおっいいねいいね!買い出し行こう!」

僕たちは食材を求めて、キャンプ場周辺を散策することにしました。

<続く>


オンネトーは水がキレイでした

同じくオンネトー。眺めているうちに
霧で何も見えなくなってしまいました
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