| 編集ワタルの北海道ツーリングレポート |
| 第一話:出発 |
旅立つ前日はかなりワックワクになっていた僕ですが、何気に見た週間天気予報でガクゼンとしました。「晴れマークが無い…1コも…」、なんと現地滞在予定期間の全日にわたって晴れマーク無し。
ま、天気予報が完璧に当たるワケないし、ボクは雨に慣れてるし、どうってことありません、全然平気です。ずうっと雨でも楽しめる自信があります。泣いたりしませんて…。
とはいえ長雨対策としてカッパを新しく購入し、荷物はプラスチック製のボックスに入れることにしました。キャンプツーリングの予定だったのでテントや寝袋などを積んで、準備完了!一緒に旅する友人のNと合流し、茨城は大洗のフェリーターミナル目指し夜の7時に東京を出発しました。 |
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大洗まで高速道ならすぐに着いてしまうのですが、残念ながら僕は125ccなので友人も下道で付き合ってもらい、環七から国道6号線へ出てひたすら走ります。この時本州に向かって台風が近づいていたので、時折強い雨が降ります。それも辛かったのですが、なにより一般道で大洗まで行くのは予想以上に遠かった!フェリーターミナルまで3時間半くらいかかってしまいました。
船着場のフェリーを見て、思わず「でっけ〜!!」
今まで乗った中ではダントツに大きいフェリーでした。船の名前は「さんふらわあ」。う〜ん、まるでどこかのマンションのような名前っすね、例えば「サンフラワー北千住」みたいな。
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乗船手続きを終えて船の舳先(へさき)にあるゲートがガバっと開いて車が入って行きます。こういう時ってなぜか緊張しますよね、ワクワク気分もあるけどノロノロしてると怒られそうだし。
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トラさんがいました。「おれ、あのトラが誰だかわかったぜ。トラがいる時に絶対いなくなる船員が一人いるんだ」と友人Nが言っていました。

霧がかかってきました。出航です。
黄色い尾翼みたいな突起物は、煙突です。
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バイクを中の駐車スペースに置いてエレベーターに乗ります。そう、船の中だというのにエレベーターがあるのです。そして客室階へと上がっていくと中はとてもきれいでした。入口では感じの良いナイスミドルな船員が「いらっしゃいませ」と迎えてくれました。部屋は2等船室で、二段ベッドがずらりと並んでいます。 僕らは大興奮して荷物を置いたらすぐにビールを買い込み、船内を探検したり写真を撮ったりしていました。しばらくするとエンジン音が大きくなり、船が動き出しました。あわてて外へ出ると、小雨が降ってとても濃い霧が立ちこめる中、船が少しずつ岸から離れていくところでした。車やバイクの積み込みを手伝ってくれていた係の人達が手を振ってくれています。いつもの事なのでしょうけど、けっこう感動します。テープの1本でも投げたいと思いましたが、係の人達だけです。見送りに来ているブロンドの彼女はいません。つーか人影は皆無でした。現代の船出って映画みたいな感動の場面じゃないんですね。
次第に船は速度を上げて陸地の明かりは小さくなっていき、港の明かりは遠くで白い霧に包まれてぼんやりと闇の中に浮いているように見えました。
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改めて旅の出発ということで乾杯をした僕らは、シャケ弁当を肴に熱く語り合いました。しかし、なんだか気分が…
「…ウプっ、ごめんオレ、ちょっと酔い止め探してくる…、オェ」
そう、近づいてくる台風の影響もあって、船はかなり揺れていたのです。売店に駆け込むと、さすがフェリー。しっかり酔い止めが用意されていました。
酔い止めを飲んで気分が回復したのをいいことに、僕たちは夜が更けるまで飲み続けました。そして翌朝。セットした携帯のアラームが鳴りました。
「…んだよチキショー、もう朝かよ…」
船で出してくれる食事を予約していたので、朝食の時間中に食堂へ行かないと食べられないのです。ほとんど寝ていないので、目は腫れまくって結膜炎のようになっていたと思います。目が開かないまま食堂へと向かいました。
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朝食。

外に出てみましたが、霧で何も見えません。
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すると、ゴハンに焼き魚に味付けノリという、すばらしくベタなというか見本のような朝食が僕の前で輝いていました。こ、こいつぁうまそうだ…。こんなにマトモな朝食を食べるのは何ヶ月ぶりか分からず、嬉しさで胸がいっぱいになりました。ありがとう、さんふらわあ。僕はジャンクな東京暮らしに埋もれて、大事なモノを忘れていたみたいだぜ。
さて、感慨深い朝食を済ませた僕は、迷わずベッドに戻りました。
N「おいおい、また寝るの?」
当たり前です。食ったら余計に眠くなったのです。
起きたら昼食でした。
N「昼食はカレーライスだってさ〜」
Nは嬉しそうでしたが、僕は数十分前に食べたような気分です。
なんとか食べきりましたゲプ。どっと疲れたので、また寝ました。
ふと気が付くと、夕食の時間でした。
N「…。おまえどう考えても食えないだろ」
ワ「…うん。すいません」
ごめんなさい、さんふらわあ。残してしまいました。
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食休みをしていると、待望のアナウンスが船内に鳴り響きました。やっと苫小牧に到着するようです。船内には「さんふらわあのテーマ」的な曲が流れ始めました。
「さんふらわあ、さんふらわあ、たいよーうに、まもーられーて…」とてもキャッチーというか印象的な曲でした。窓の外を見ると…予報通りの雨。全然平気です。
「オーケー、計画通りだオレ!新しいカッパ買っておいて良かったな!」と自分を励まし、下船しました。やっと着いたぜ、北海道!!
<続く>
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