フルモデルチェンジで、エンジン、フレームともに新設計。エンジンはよりコンパクトに軽く造られており、FIの制御から排気バルブつきの排気系にいたるまでリニューアル。フレームはホイールベースを少し縮めるなどディメンションを微妙に変えつつ、ネジレ特性を見直している。「縦剛性をしっかりと保ちながら横剛性を抑える」というリセッティングで、これは車体の安定性、節度を保ちながら乗り手からの入力を軽くさせる効果がある。また、ラムエアダクトがカウルセンターに配置され、その効果もかなり上がったという。
イチバンの違い。それはとにかく軽快に身を翻すこと。全開のまま4速ほどでS字を切るような操作では粘っこく感じるものの、140km/hくらいまでの切り返しならどんな駆動力を掛けていても(どれだけスロットルを開けていても)06モデルよりずっと軽快だし、このクラスの全てのSSと比べてももっとも手応えが軽く回頭性が良い。
コーナーにアプローチして寝かし込み、スロットルを合わせたときの一次旋回、まずこれが強力。その後から立ち上がりを含めた旋回性…これも自在にコントロールできるのだが、これが頼もしくも楽しいのだ。難しさがなく、スロットルワークやちょっとした荷重移動だけでどうにでも制御できる。
足回りの進化もめざましく、とくにリヤのスタビリティは飛躍的に向上しており、荒れた路面での強さはこれまで以上。ガンガン開けられるので、峠道での楽しさもグッと増すだろう。 エンジンパワーも上がっているというが、回転数で稼いでいるというよりはトルキーになっている印象だ。おとなしく吹けるようになったようにさえ感じる。おそらくパワーバンド以下の回転域のトルクが向上ているから、錯覚してしまうのだろう。同クラスのライバルたちより1000〜1500回転ほどレブリミットが低く、そこもまたジェントルな感じだ。回しやすく、使い勝手はトップレベルである。 この07モデル。ハイポテンシャルで使いやすく、しかも速くすることに成功している。進化のベクトルは今日のSSの定番方向ともいえるが、「こんなに楽に元気に走っていい?」と思わせてくれたのは、このクラスではこの600RRだけだ。
●マフラー● 容量をアップし、消音効果を向上させ、少し小柄になったサイレンサー。このエキゾーストシステム全体で500gの軽量化を実現。