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HONDA CBR600RR('07)
2007年欧州向けニューモデル「CBR600RR」を
 ジョージア州アトランタで試乗
国内仕様を唯一ラインナップさせるミドルSSのCBR600RR。今回試乗したマシンは07年型の欧州仕様である。最高出力88.1kW(119.8HP)/13500回転のフルパワー仕様で、06モデルに対して2kWアップとなる。ライダーは二輪ジャーナリストとしてお馴染みの宮崎敬一郎氏だ。

 フルモデルチェンジで、エンジン、フレームともに新設計。エンジンはよりコンパクトに軽く造られており、FIの制御から排気バルブつきの排気系にいたるまでリニューアル。フレームはホイールベースを少し縮めるなどディメンションを微妙に変えつつ、ネジレ特性を見直している。「縦剛性をしっかりと保ちながら横剛性を抑える」というリセッティングで、これは車体の安定性、節度を保ちながら乗り手からの入力を軽くさせる効果がある。また、ラムエアダクトがカウルセンターに配置され、その効果もかなり上がったという。

 これで見た目の車格が少しだけコンパクトになり、各部の軽量化が功を奏し、重量が5kgほど軽くなっている。この、たかが5kgの威力がスゴイ。重心はわずかに高くなっているそうだが、止まっている車体を起こした時点でその違いは明らかだった。もちろん走ればその違いはさらに大きくなる。

 イチバンの違い。それはとにかく軽快に身を翻すこと。全開のまま4速ほどでS字を切るような操作では粘っこく感じるものの、140km/hくらいまでの切り返しならどんな駆動力を掛けていても(どれだけスロットルを開けていても)06モデルよりずっと軽快だし、このクラスの全てのSSと比べてももっとも手応えが軽く回頭性が良い。

 コーナーにアプローチして寝かし込み、スロットルを合わせたときの一次旋回、まずこれが強力。その後から立ち上がりを含めた旋回性…これも自在にコントロールできるのだが、これが頼もしくも楽しいのだ。難しさがなく、スロットルワークやちょっとした荷重移動だけでどうにでも制御できる。




 足回りの進化もめざましく、とくにリヤのスタビリティは飛躍的に向上しており、荒れた路面での強さはこれまで以上。ガンガン開けられるので、峠道での楽しさもグッと増すだろう。

 エンジンパワーも上がっているというが、回転数で稼いでいるというよりはトルキーになっている印象だ。おとなしく吹けるようになったようにさえ感じる。おそらくパワーバンド以下の回転域のトルクが向上ているから、錯覚してしまうのだろう。同クラスのライバルたちより1000〜1500回転ほどレブリミットが低く、そこもまたジェントルな感じだ。回しやすく、使い勝手はトップレベルである。

 この07モデル。ハイポテンシャルで使いやすく、しかも速くすることに成功している。進化のベクトルは今日のSSの定番方向ともいえるが、「こんなに楽に元気に走っていい?」と思わせてくれたのは、このクラスではこの600RRだけだ。


エンジンで2.1kgと大幅に軽量化されているが、その他ではフレームで700g、リヤアームで240g、エキゾーストシステムで500gと切りつめ、残りは外装やそれに関わるパーツ類の軽量化で達成されたマイナス5kgだ。

●フロントブレーキ●
相変わらずコントローラブルで強力な制動力を発揮する。レース用タイヤを履いての急制動でも十分な制動力と耐熱性を発揮した。フルアジャストの前後ショックで、スタンダードセッティングではいくらかピッチングが大きく、ハードに走るといささか踏ん張り不足に感じるところがあった。だが、前後の伸び、圧側減衰を1回転とか、1〜2ノッチ上げるだけで落ち着きと踏ん張り力が飛躍的にアップ。対スポーツ性能が向上した。

●リヤブレーキ●
軽くなり、適度なシナリを加えられ、足回りのリンケージを一新したリヤまわり。リヤブレーキマスターシリンダーなどの配置も変わって、マスの集中化に貢献している。

●マフラー●
容量をアップし、消音効果を向上させ、少し小柄になったサイレンサー。このエキゾーストシステム全体で500gの軽量化を実現。


●ステアリングダンパー[HESD]●
1000RRがステアリング軸同軸式電子制御のステアリングダンパーを使っていたが、この600RRはリンクとロッドを介した棒状ダンパーで制御。軽くコンパクトになっている。
<CBR600RR主要諸元>
最高出力     119.8HP/13500rpm
最大トルク    6.73kg-m/11250rpm
全長X全幅X全高 2010 X 685 X 1105mm
ホイールベース  1375mm
シート高     820mm
乾燥重量     155kg
エンジン     水冷DOHC4バルブ並列4気筒
ボアXストローク 67.0 X 42.5mm
排気量      599cc
圧縮比      12.2
燃料タンク容量  18リットル
変速機      6段リターン
ブレーキ前・後  310mm X2・220mm X1
タイヤサイズ   F 120/70ZR17 R 180/55ZR17
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